心療内科で働くときに役立つ知識

心療内科は心に病気を抱えた人が治療のために訪れる。身体の症状をみることが多い病院の中では特殊な診療科といえるだろう。そのため心療内科で働く看護師にも医療以外の知識が求められる。心療内科で働くときに役に立つ知識は二つある。一つ目は福祉の知識である。心に病を抱えながら地域で暮らしたり仕事に復帰したりすることは容易ではない。そのような患者の病院以外での暮らしを支えることが福祉の仕事である。看護師は医療職であるが、福祉の知識があることで患者の生活へのアドバイスもすることができる。特に複雑な福祉制度について知っていると患者は安心することができるだろう。

二つ目は心理の知識である。心療内科ではカウンセリングや心理療法も多く行われる。心理の専門職として臨床心理士や公認心理師が在籍していることがほとんどだが、看護師も心理の知識があると仕事の役に立つ。心の病気の中にはささいな声掛けがきっかけで病状を悪化させてしまう病気も少なくない。心理の知識がないために不用意な声掛けや態度で患者を傷つけてしまう可能性もある。心理の知識があると、診察中や患者を誘導するときなどにも適切な声掛けや雰囲気づくりをすることができる。そのため、患者との信頼関係も築きやすい。また、医師が行う様々な心理療法についても、何をやっているかわからない状態よりも何のためにその治療をしているかを理解することができ、仕事へのモチベーションも高まるだろう。